2011年11月5日土曜日

香港のNGOから学んだこと(終了)

12月の社会運動ユニオニズム研究会は、香港のNGO(Asia Monitor Resource Centre)で7ヶ月ほどインターンをしてこられた平野太一さんに、香港と中国本土の労働者の状況と労働組合やNGOの活動について、見聞し、体験してこられたことを報告いただき、そこから私たちが学ぶものについて、議論しました。
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第17回社会運動ユニオニズム研究会(終了)
日 時:2011年12月17日(土)
テーマ:香港のNGOから学んだこと
報告者:平野 太一さん
共催:LaborNow
明治大学労働教育メディア研究センター
一橋大学フェアレイバー研究教育センター
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平野太一さんから自己紹介と報告課題
大学卒業後、中小系の印刷会社の営業として入社。勤続3年3か月。会社は、ルートセールスで売上をあげていた。入社半年過ぎた頃から、多忙であり、心身を壊し休職。休職中に、ある労働組合に加盟。会社との団体交渉を通じて、未払いの残業代などを獲得し、退社。
退社後、組合員を続けながら労組で、ボランティアスタッフとして活動をした。その中で、日本の社会運動に疑問を持ち始め悩んでいるときに、香港のNGOの一つであるAsia Monitor Resource Centreのインターン制度の話を聞き、インターンとして2011年4月~10月、香港や中国の社会運動に参加した。

報告内容
(1)香港編
団体交渉権をもたない香港の労働組合が、どうやって労働者を組織していくのか。また、中国本土の御用組合の息が掛かったナショナルセンターと台湾系のナショナルセンター、そしてそこにも属さない独立系のナショナルセンターがどうやって誕生したのか。そして、コミュニティベースのNGOが生まれた背景と今の役割はうなっているのか。
(2)中国編
GDP世界2位となり、目まぐるしい経済発展を遂げる中、その光 を支える農民工と呼ばれる出稼ぎ労働者が、どういう状況にあるのか。団体交渉権は認められているものの、ストライキ権をもたない労働者。御用組合と批判されるACFTU以外の組織が労働者を組織化することが許されないという中で、中国のNGOや香港のNGOは、どのようにして未組織労働者を組織化していくのか。アジアの発展途上国は、中国の経済システムをモデルにしている中、中国はますます、複雑になってきている。

参考論文

平野太一「香港の労働運動とNGO:中国との関係」『労働法律旬報』1776号(2012年9月25日発行)